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【コロナ後の世界】海外の入国制限措置に応じるために、PCR検査陰性を証明する「健康証明書」を取得することは可能か?

2020.06.02




*この記事に関連するニュースが6月5日(金)付の日本経済新聞朝刊一面に掲載されました。

緊急事態宣言は解除されましたが、新型コロナウィルスの影響により自由な海外旅行が出来るようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。
そのような状況の中、日本政府は日本への入国規制についてまずは4か国との規制を緩和する旨発表しました。

【6月29日 内容を一部更新しました】

1.日本政府、ベトナム・豪州など4か国との入国制限措置緩和に向けた検討を開始

今回、日本政府が入国制限措置の緩和を検討している4か国は以下の国々です。
1.タイ
2.ベトナム
3.オーストラリア
4.ニュージーランド

この4か国は新規感染者数が減少しているとの理由から日本の国家安全保障局(NSS)が入国制限緩和候補の第一弾として選別した国々です。
タイ及びベトナムには多数の日本企業が進出しており、技能実習生も多く来日しています。
オーストラリア・ニュージーランドは農産物と鉱物貿易で重要な役割を果たしており、経済の再活性化を待ち望む両国の利益が一致した形となるものです。

日本政府はまず「ビジネス」上の往来を促進しようと検討している様子です。
しかし、入国制限の緩和にあたり、双方の国の入国規制がどのように緩和されるかはまだ不明です。

現在、この4か国の旅券所持者は新型コロナウィルスの影響により「出入国管理及び難民認定法に基づき上陸拒否を行う対象地域」に指定されており、日本へ入国する事が出来ません。

この4か国も現在は外国人の入国を原則禁止とする措置を取っており、特別許可を得た外国人のみが「健康証明書」や大使館が発行する「許可証」の提出を条件に入国が可能になるとしています。

今後どのように入国制限を緩和し両国の往来を許可するのかは、政府の発表を待たなければなりません。
(厚生労働省、外務省、通商産業省、国土交通省、国家安全保障局のいずれの省庁が先導するのでしょう?)


2.海外旅行の際に必須条件になりそうな「PCR検査を伴う健康証明書」の存在


新型コロナウィルス感染においての「陰性」「陽性」を判断・証明出来る手段はPCR検査以外に方法が無いと言うのが各国の認識です。
各国が入国規制を緩和する条件として、入国審査の際に「健康証明書」の提出を要請する動きが顕著になってきました。
このような状況の中、今後海外旅行が条件付きで緩和されることになった場合にPCR検査の結果を伴う「健康証明書」の発行が日本で可能かどうかと言うことが非常に気になります。

保健所に確認したところ、「海外旅行目的の健康証明書発行のためのPCR検査については「帰国者・接触者外来」では現在受付をしておりません。貴方のかかりつけ医にご相談ください」との返答でした。PCR検査についてはメディアでもさんざん報じられている通り、かなりハードルの高い検査であり、今の日本では感染症状の無い者が安易に受けることが出来ない検査になっています。

そこでPCR検査を伴う健康証明書の発行が可能かどうかについてネットで検索した結果、東京都内のクリニックで2パターンの興味ある記載が出てきました。詳細は以下を参照していただきたいのですが、このように比較すると情報にバラつきがあるのが分かります。


a. PCR検査をベースにした健康証明書の発行は可能だとするクリニック

「クリニックフォア田町」
https://www.clinicfor.life/articles/covid-038/
https://www.clinicfor.life/articles/covid-040/
このクリニックでは、インドネシア・タイ・中国入国用の健康証明書の発行は可能だと案内しています。
PCR検査費用は「40,000円」英語版の健康証明書の発行は10,000円の手数料で発行可能との事です。

b. PCR検査をベースにした健康証明書の発行は不可能とするクリニック

「日比谷クリニック」
https://hibiya-clinic.com/internal_medicine/new_coronavirus03/
日比谷クリニックは60年の歴史を誇る、アフリカ・中東諸国など海外渡航向けの各種予防接種・ワクチン接種や海外渡航者向けの英文健康診断書の作成など、海外渡航関連に特化した老舗クリニックです。
このクリニックでは、「現在日本国内で呼吸器感染症の症状が認められない方に対してPCR検査を行うすべがございません。現時点で当院でできる事は問診、診察、胸部レントゲン検査に留まり、COVIT-19に感染していない、もしくは拡散する可能性がない事を証明する事は不可能です。」と案内しています。

クリニックフォア田町のように、総費用50,000円で「健康証明書」を発行可能なクリニックが存在することは分かりました。
ただし、他の大多数のクリニックや病院は健康証明書の発行には否定的な見解を示しています。
このことは今後もう少し深く調査してゆきたいと思います。

<追記>
*東京医科大学病院「渡航医療センター」がビジネス渡航に限定したPCR検査及び英文健康診断書の取り扱いを開始しました。完全予約制で、予約は電話のみで受け付けています。
電話番号:03-5339-3137 
予約時間:月~金曜 9:00~12:00 13:00~16:00 土曜 9:00~12:00
詳しい情報はこちらのホームページをご参照ください。


3.海外旅行における「健康証明書」の重要性を考える


今まで国境を越える際に必要な書類はパスポート(国籍と身分を証明する書類)とビザ(入国を許可する書類)でした。
コロナ後の世界では、もう一つの書類「健康証明書」もしくは「抗体証明書」の携行が国境を越える際に必要になる確率が相当高くなります。
各国が共同して共通のフォーマットを作り上げるのか、各国バラバラの対応をするのかは今のところ全く不明です。
当然のことながら、書類の偽造対策などにも注意をする必要があります。

韓国と中国は既に両国の企業関係者の例外的な入国を保証する「ファストトラック」制度を導入しました。
韓国人が中国へ入国する際には中国の地方政府が発行した招待状と在韓中国大使館などが発行する査証があれば、中国入国の手続きが簡素化されます。
ただし、航空機が出発する72時間以内に保健当局が指定する医療機関でウィルス検査を受け、陰性を証明する「健康状態確認書」の発給を受ける必要があります。また、中国入国後も地方政府が指定した場所で1~2日間隔離され、PCR検査と抗体検査を受けなければなりません。
中国人が韓国へ入国する際には、出国前に陰性判定を示す確認書を提出し、到着後にもう一度検査を受けて陰性が確認すれば14日間の隔離措置が免除されます。この制度により800人以上の韓国人が中国へ入国したとの報道がなされています。(ただし、首都北京のみは例外としてこの制度での入国が許可されておりません)

この事例でも分かる通り、PCR検査を踏まえた「健康証明書」もしくは既に抗体を持っている場合は「抗体証明書」の発行が今後の海外渡航における必須条件になってくると予想されます。

しかし、ここまで考察した通り現在の日本ではPCR検査が非常にハードルの高い障害となっており、広く一般国民に対する「健康証明書」の発行プロセスに至るまでには、まだかなり長い準備期間を要しそうです。今の状況では、特に観光目的の海外旅行解禁に至る道筋は非常に険しいと言わざるを得ません。

非常事態宣言が解除されたことにより、前出の4か国に限らず中国・韓国などの諸外国との往来を回復させることを望む声が各方面から高まっている反面、外国人の訪日や海外から帰国した日本人から新型コロナウィルスが再度蔓延する事を危惧する声も根強くあります。

今は日本政府がこの問題に対して、どのように対処して行くのかを見守るしか方法がありません。
日本帰国の際に要請されている14日間の自宅待機措置もどのタイミングで解除もしくは緩和されるのか、今のところは全く不明です。

いずれにせよ、観光目的の海外旅行が解禁になるまでには、これから相当長い時間がかかりそうです

株式会社セイムコーポレーション (ミッドパックツアーズ)


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